■ 設立趣意書
高度経済成長期に整備された公共施設・インフラ等が老朽化し、笹子トンネル事故をはじめ、公共施設の損壊や機能低下、上下水道管の損壊による道路の陥没、橋の落下等が発生しています。これら喫緊の課題に対して、劣化対策や再整備を図るにあたっては膨大な更新費用を要し、厳しい財政見通しと人口減少で、十分な施策を講じられない状況にあります。
このような折、国・政府はインフラ長寿命化基本計画を策定し、総務省から地方公共団体に向けて「公共施設等総合管理計画」の策定が要請されました。また、「統一的な基準による地方公会計の整備促進等」が通知され、減価償却費等も記載する固定資産台帳は資産経営・公共施設マネジメントの基礎データとなるものであり、早急の整備が望まれます。さらには、「公共施設等の老朽化対策に係る地方財政措置」が設けられ、地方創生・地方総合戦略のアクションプラン「インフラの戦略的な維持管理・更新等の推進」の取組内容にも総合管理計画の策定推進があげられています。
先進的な地方公共団体の取組みも見られますが、なお一層、広域的な視点も合わせ、資産経営・公共施設・インフラのあり方に関する有効な施策の考究と実行が求められています。
資産経営・公民連携首長会議は志ある首長の参画により、地方公共団体の資産経営、公共施設・インフラ等の更新及び運営・維持管理のあり方、公民連携に関する情報・ノウハウ・先進事例を学び、各地方公共団体の資産経営、公共施設マネジメント、公共施設等総合管理計画の策定に資することを目的に、本会を設立することとなりました。
本会は、東洋大学PPP研究センター(センター長:根本祐二同大学経済学部教授)と密接に連携することを予定しております。同センターはインフラ老朽化問題にいち早く注目し数々の研究成果を上げてきた研究機関であり、単なる節約や統廃合を超えて、省インフラという社会変革の概念を提唱し、趣旨に賛同する民間企業と「省インフラ研究会」を設立して研究を進めております。
省インフラとはエネルギー原単位の低い社会経済を実現した省エネルギーをふまえ、単なる公共施設マネジメントではなく、コンパクトシティづくりや、ネットワークに頼らない個別処理システム、ITを活用した予防保全システムなど、インフラ原単位自体の低い経済社会を実現する広い概念を表わします。
本会では、省インフラ研究会の最新の研究成果の提供を受けるとともに、首長としての意見を研究に反映させることができるようにいたします。
首長各位におかれましては、ぜひこの取組みにご賛同賜り、ご参画いただきますようお願い申し上げます。
資産経営・公民連携首長会議 設立発起人